適所適材 2021 2 13

 私は、かつて歴史を学ぶことが好きでした。
歴史書は、現代を生きる私たちにとっても、
活用できることが多いかもしれません。
 私は、かつて、中国史を勉強したことがあります。
中国では、数多くの王朝が歴史の舞台に登場しました。
庶民から天下統一を成し遂げて皇帝まで上り詰めた人もいました。
 そういう立身出世を見て、驚いたことがあります。
皇帝となった時に、天下統一まで苦労を共にした戦友たちを切り捨てたのです。
 私は、「なんと非情なことか」と思いましたが、
経営学から見れば、実に合理的です。
 天下統一まで戦乱の世を戦い抜く人材と、
天下統一後に政府を運営する人材は、全く違う能力が必要とされるのです。
 私は、政治の世界とは、なんと厳しいものかと思うと同時に、
自分には、リーダーの能力はないと思いました。
私だったら、戦友を重要閣僚にしてしまったでしょう。
 大昔の中国は、大変だったと思っていたら、
なんと、現代の日本でも、そういうことがあったのです。
 小泉純一郎氏は、2001年の自民党総裁選挙に勝ち、総理大臣に就任しました。
私の記憶が確かならば、小泉氏は、
選挙戦の勝利に大きく貢献した大物政治家を当選後は切り捨てたのです。
 小泉氏は、その政治家とは、政治的信念や政策が大きく違っていました。
つまり、郵政民営化や公共事業について考え方が正反対に近いものでした。
 当選後は、どう処遇するのか注目が集まっていましたが、
小泉氏は、選挙戦の功労者をあっさり切り捨てたのです。
 そう言えば、アメリカ大統領選挙においても、
選挙戦の功労者を国務長官や国防長官のような重要ポストに任命することはなく、
同盟国の大使に任命することがあると聞いたことがあります。
 これは、選挙戦を勝ち抜く人材と、
政府を運営する人材は、必要とされる能力が違うということでしょう。






















































































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